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第170話 自分では選ばない場所

Author: 八月 猫
last update publish date: 2026-10-25 09:00:29

 翌週の土曜日。

 帝人さんから届いた連絡には、待ち合わせの場所と時間だけが書かれていた。

 行き先はない。

 前回、「次は俺が決める」と言っていたからだろうけれど、何も教えてくれないところを見ると、どうやら本当に当日まで秘密にするつもりらしい。

 ただし。

『普通の規模でお願いします』

 念のため前日に送った私のメッセージには、

『分かっている』

 と返ってきていた。

 その言葉を信じていいのかどうかは、少し怪しい。

「帝人さん、おはようございます」

「ああ。時間通りだな」

「そこは普段の仕事と同じなので。それより、本当に普通ですよね?」

「まだ疑っているのか」

「帝人さんの普通と私の普通が同じとは限らないので」

 私がそう言うと、帝人さんは少しだけ眉を寄せた。

「今日は貸し切っていない」

「その確認が必要になる時点でおかしいんですよ」

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